コロナ禍の影響でネット通販(ネットショッピング)を利用する人が増えていますが、シニアのネット通販トラブルも急増しています。
中でも最も多いのが「初回無料」「お試し価格」の表示を見て、1回だけの「お試し」のつもりで申し込んだら、実際は「定期購入」の契約になっていたというものです。
しばらくして、注文した覚えがないのに2回目が届き、「変だな・・・」と思いつつ放置していると、やがて3回目が届きます。
そして最初にクレジットカードの番号などを登録してある場合、2回目、3回目の分もしっかりと引き落とされます。
「定期購入」になってしまう原因は?
「初回無料」「お試し価格」となっている場合、安い価格が大きく表示されていますが、通常価格は小さめに表示されているので、わかりにくくなっています。
また、「2回目からは定期購入になる」ということも、目立たない場所に小さく表示されていたりするので、見落としてしまいがちです。
さらに、解約や返品に関する詳細も、ページの一番下など見つけにくい場所やリンク先の別ページに記載されていることがあります。
何とか電話番号を探し、電話で問い合わせようとすると、今度は何度かけてもつながりにくいといった状況になることがあります。
商品の売り方に注意
商品の売り方に、「フロントエンド商品」と「バックエンド商品」があることを理解しておくと、ネット通販のトラブルに巻き込まれる可能性が低くなります。
また、近年急激に増えているのが、「初回無料」「お試し価格」から定期購入へとつなげる「サブスクリプション」です。この場合も、無料お試し期間を過ぎると自動更新で有料になってしまうことがあります。
「フロントエンド商品」と「バックエンド商品」とは?
フロントエンド商品とは、「お客様を集めるための商品」で、無料だったり、お試し価格としてかなり低価格に設定されています。
バックエンド商品は「本当に売りたい商品」で、こちらは利幅も大きく価格も高額に設定されているケースが多くなっています。
マーケティング手法のひとつですが、フロントエンド商品の購入の際に得られた顧客情報をもとに、メルマガやダイレクトメールなどでバックエンド商品の購入を勧めるといった方法が取られます。
バックエンド商品が本当に良い商品で、納得した上で購入するならそれでも良いのですが、中には詐欺まがいのものもあるので、注意しましょう。
「サブスクリプション」とは?
近年、一般的に使われるようになった言葉に「サブスクリプション」というものがあります。
略して「サブスク」と言っていますが、「毎月一定金額を支払うことで、決まった期間、製品やサービスを利用することができる方式」を指します。
「Netflix(ネットフリックス)」「Hulu(フールー)」などの動画配信サービスが有名ですが、最近は食品や日用品の宅配サービス、衣類や家具のレンタルサービスなど多様化しており、その数もどんどん増えています。
サブスクの場合は、無料または比較的安価で始めることができ、好きなときに登録・解約可能となっていますが、解約を忘れてしまうと料金が発生するので、注意が必要です。
ネット通販トラブルに巻き込まれないために
ネット通販(ネットショッピング)は、やり方を覚えると便利で楽しいものですが、トラブルに巻き込まれると、「恐怖の体験」と化してしまいます。
特に「初回無料」「お試し価格」の表示がある商品に関しては、購入画面を隅々までチェックする習慣をつけましょう。
ショップまたは会社の所在地や電話番号を確認しておくとともに、その商品が「定期購入」になっていないかどうか、返品や解約は可能かどうかなど、十分に確認しておきましょう。
商品そのものについて不審な点がある場合は、商品名で検索してみてください。その商品に関する口コミやレビュー、使用者の感想などを知ることができます。
また、販売サイトの商品の詳細が表示されているページはブックマークしておき、注文内容や販売サイトからのメールなどは、いつでも確認できるように保存しておきましょう。
トラブルに巻き込まれてしまったら
ネット通販(ネットショッピング)に関するトラブルに巻き込まれ、どうしたらよいかわからなくなってしまった場合は、消費者センターの相談窓口を利用してみましょう。
消費者センターは、地方公共団体が設置している行政機関です。
消費者ホットライン:局番なしの「188(いやや!)」に電話することにより、自宅最寄りの消費者センターに電話をつないでもらえます。